『キルラキル』二日連続オールナイトを見に行った!
どうもリッキーです。
ブログの更新を怠ってごめんなさい。理由は下記です。*1
ではでは、『キルラキル』のオールナイト上映会(二日連続!!)についての感想です。
僕は今までアニメ以外にも洋画・音楽などジャンル問わず様々な作品を鑑賞してきました。
その中でも良い作品は、むしろ「作品」の枠を超えて、当時の状況を鮮明に刻んだ「思い出」になっている傾向があります。自分がどんな気持ちで作品を鑑賞し、後にどのように自分に影響を与えた事が関わってくるのです。作品を自分の中で取り組んだ「思い出」となるのです。
今回の『キルラキル』の鑑賞は、「作品」の枠にとどまらない「イベント」でした。わざわざ深夜に新宿へ向かい、早朝になって疲れながらも満たされた気持ちで帰宅する。旅行みたいですが、家を出てあとに戻る時までが上映会だったのです。
率直に言えば、『キルラキル』を作品として客観的に評価する自信がありません。なぜなら、睡魔をこらえた自分は深夜の変なテンションに影響されてたはずです。その代わり、そのテンションのおかげでイベントを一層楽しめました。今回は作品よりはイベントについて、そしてこのイベントがいかに「思い出」になったかを話したいと思います。
第一夜
『キルラキル』第1話〜第12話
初日にもらったステッカー。鬼龍院皐月様仕様である。
角川シネマ新宿へ友人より早く到着。睡魔に襲われるのが心配でしたが、その友人が気を利かせてRed Bullを買ってくれました。ポリポリ食うお菓子もストック済みです。
会場の角川シネマ新宿。
11時。上映前のトークショーには脚本を担当された中島かずきさんと監督の今石洋之さんが参加されました。以前の取材やインタビューでは明かされなかった制作秘話が盛り上がりました。
特に印象に残っていたのは、作品中の学園で活躍するはずだった部活の没ネタです。登場するかも知れなかった「アニメ部」の部員が、自身がアニメだと自覚してしまいます。上を見上げるとアニメーターの実写画像が見え、最後には体から色が抜けるとか。あまりにもメタすぎで、技術的にも実現が難しい事から見送られたそうです。
ちょうど深夜過ぎに上映開始。
早速真っ赤でドデカい独特のタイポグラフィーで開幕。今回の上映会の為に調整された4chの音響も迫力満点です。暗闇に浮かぶ銀幕で眺めるアニメはとても新鮮!
第1話のテンションがやばかった。3話分のアイデアが詰まっていたような感じで、ハイスピードの展開に圧倒されました。はじめは訳分からない世界観について気になり、作品にグイグイ引き込まれた事を覚えています。
この世界観ですが、「服」をモチーフにしたキテレツなものです。生徒の着用する制服で階級、能力、待遇などが定められます。最初は極めてアブサードに感じましたが、そんな設定をうまく膨らませ、説得力のある独自のリアリティーを構築してしまうのです。中島さん、この発想がどこから来たのか知りたい。
4話ごとに15分の休憩時間が設けられました。間に合うように焦って近くのコンビニに向かい、スナックとコーラの在庫を充填。初めてのオールナイトはカフェインの量で勝負です!でも終盤あたりでは眠気に襲われ、爆発音に麻痺してぼーっとしてしまいました。
終わったのは5時半あたりでしょうか。いつの間に日の出に染まり始めた町の光景は徹夜明けの目にとって眩しいです。
一旦帰宅。仮眠はとったものの、十分に疲労感を振り払えず。
第二夜
『キルラキル』第13話〜第24話
二日目にもらったステッカー。主人公の纏流子仕様だ。
再度新宿へ。友人がわずかに遅刻すると連絡が入り、着いたら僕がロビーでチケットを渡すことになりました。
トークショー開始30秒前です。ステージの雰囲気が本番らしくなっていた時に、着信。すぐにロビーへ向かいますが、ドアを開けた瞬間に関係者数人の姿が!急に現れた僕に、空気が凍った気がしました。きっと中島さんと今石監督だったのでしょうが、僕は急いで友人の元へ。僕たちは無事に開始直前に入場できました。(その節はお騒がせさせてしまい、すいませんでした。)
トークショーが終わり、上映開始。疲労のせいか、僕はお菓子をムシャクシャと口にしました。昨夜の反省や寝不足の事もふまえ、2時間以内にRed Bullを2本飲んでしまいました。この時、僕はカフェインの恐ろしさを思い知る事になったのです。
途中、心臓が急激にバクバク。深夜のテンションの上にカフェインで暴走です。作品の視覚的な刺激を受けながら、同時に頭の中ではいろんな発想が暴れだしてしまいました。「劇場内に僕がみんなと『キルラキル』を見ているんだ!」と、第四の壁が崩壊。カフェインが落ち着き始めた頃には体力をほぼ完全消耗。口が半開きになりながらも、目は必ず開けるようにしました。
作中に言及される「なんだかよくわからないもの」に触発されたのか。こんな状態でも情熱的な物語に惹かれ、心が熱くなりました。最終話の時点では会場が観客からの熱気に溢れていました。
そして終幕。電灯がつく前から、拍手が。僕は思わず席を立ち、関係者席に向かって拍手を始めました。そして観客のみんなが同様に立ち、スタンディングオベーションに発展。僕は「ブラボー!」と一声掛けました。
関係者の方々もお辞儀され、照れた様子で中島さんはリュックをしょって席を離脱。徐々に拍手が落ち着いて、僕は「いや〜、おつかれさま!」と一言。会場のみなさんも笑って同感してくれたそうです。
今石さんにスタンディングオベーション pic.twitter.com/we74DBpR0F
— JellyMan. (@SGSERN) 2014, 5月 31
@coolandsmartrr @SGSERN カッコいい!!最初に振り返って拍手を始められて、俺が拍手を送られてる訳でも無いのに、また涙が溢れましたwお疲れ様でした!!
— ミキティ@たゆたう人生 (@WelcomeON) 2014, 6月 1
新宿はまた早朝の光に染まっていました。疲れてたものの、このイベントを目撃できた誇りと満足感に満たされました。
タイトルを聞くと「作品」と「思い出」の『キルラキル』を思い浮かべます。作品だと、破天荒な主人公の流子の成長を見守りながら、彼女への愛着が湧いた事を覚えています。一方、思い出だと、僕と友人、観客のみなさん、そして流子と一緒に冒険したこの二夜のことを思い出します。互いへの関わり合いが少ない現代社会で、このように共通意識を感じさせる作品は貴重です*2。だから僕は『キルラキル』が好きになりました。
最後に、中島さん、今石監督、そして制作関係者のみなさま、この感動を届けてくださってありがとうございました!